ポケモン(第3世代)について①
第3世代(概要)
2002
11/21 「ポケットモンスター ルビー・サファイア」 発売
ゲーム機種がGBAになり装いも新たに出発した第3世代
新機種による新出発を意識したのか数多くの仕様変更が盛り込まれた
前作「金・銀・クリスタル」や初代「赤・緑・青・ピカチュウ」版との通信連動を今作では全面廃止
機種が変わったことによるマシン上の制約によるものだがこれにより一部の旧世代ポケモンはしばらく入手手段すらない状況になってしまった
新たなバトル方式として一度に2体のポケモンが場に出るダブルバトルが登場
従来の1vs1のバトルはシングルバトルと呼ばれ別のルールとして区別された
技にもダブルだと相手を2体同時に攻撃できる技.味方を巻き込む技.シングルでは役に立たないがダブルだと有用な技などが登場しシングルとはまた違った戦術が必要となり以降の大会でもシングル・ダブルが部門分けされて開催される事となる
4人のプレイヤーで1体ずつポケモンを出しダブルルールで戦闘するマルチバトルも通信で出来るようになった
前作クリスタル版ではタワーに入るにはモバイルアダプタとの連動が必須だったのだが 今作では殿堂入り後なら誰でも挑戦可能になり幾多のトレーナーが施設の超難易度に舌を巻き多くの廃人を生み出した
以後はタワーのようなやりこみプレイに特化した施設に主に殿堂入り後に挑戦できるのが定番となる
全てのポケモンに1つ(種族によっては二つのうちランダムで一つ)タイプとは別に「とくせい」が追加された
ポケモンの個性付けが強くなりヌケニンやケッキングのように特性で強烈な個性を付与されたポケモンも登場した
グラードンやカイオーガなどの天候を変化させる特性を持ったポケモンの登場により金銀時代ではほとんど注目されていなかった天候パーティの実用性が大きく上昇し以後のメジャー格となった
ステータス上に新たに設けられた「せいかく」により一部ステータスに上昇補正・下降補正がかかるようになった
上がり幅は個体値のそれより大きく個体値以上に重要な要素となった
前作まではポケモンの攻撃・防御などの各ステータスの努力値が独立しており全ステータスに最大まで努力値を振ることができたが今作では各ステータスに振れる努力値の総合計が510に制限され前世代のような自由な振り方はできなくなった(どうしても長所にばかり努力値が割かれる傾向になり低耐久・鈍足などがネックだったポケモンは今まで以上にその短所が捨て置かれるようになった)
前作の倍の0~31の個体値が今作以降はHPにも割り振られるようになった
上2つの数値上の仕様変更と合わせて1つのステータスを最高にするための条件が厳しくなり長所を尖らせようとすると短所が今まで以上に露呈してしまうという欠点が生まれてしまったがその分性格や努力値の振り分け次第で前世代以上に個体に差が出るため育成の幅が広がったとも言える
ハートのウロコと引き換えに今まで忘れてしまった技をもう一度思い出させてくれる人物が登場した(この方法でしか習得できない技を持つポケモンも登場しこの「技思い出し」をしてくれる人物は以後のシリーズで時に人物や引換アイテムを変えながら続投し続けるようになった)
金銀で登場したきのみだが金銀のものとは別の名前で新しくきのみが設定された
一部には前作との互換切りやそれに伴う前世代のポケモンが一部登場しないことにショックを受けポケモンから離れてしまったプレイヤーも一定数存在したという
「ポケモンは金銀まで」と主張するいわゆる懐古主義な大人を見たことがあるかもしれないが
彼らはこの仕様変更や新ポケモンのデザインを許容しがたく離れてしまった人たちである
努力値の振り分け式は育成方法によりプレイヤーの個性が出る反面非ネットユーザー等の情報量の乏しいプレイヤーには把握しづらく厳しいシステムとの声も上がった
2003
「ポケモンスタジアム」シリーズにもあった携帯機で捕まえたポケモンを据え置き機ソフトで預かっておける機能に特化したソフト
預けておけるポケモン数は最大1500匹
GBAが420匹分のボックスしかなかった事を考えるとなかなかの大容量
預けた全ポケモンを各ステータス順に閲覧できる機能があるなど基本的にはマニア向けの側面が強いソフト
後に発売されたファイアレッド・リーフグリーンやエメラルドにもボックス機能が対応しており(GBA側で全国図鑑を解禁させる必要はある)いちいち交換せずともボックスを経由することで大量にポケモンを移すことができる(各ポケモン間の道具のやり取りが出来ないポケモンを逃せないなど機能的にはスタジアムより劣化した部分も多くおまけ的にGBAケーブルで接続した「ルビー・サファイア」をTV画面で遊べるこれまたポケスタのGBビルのようなモードも存在したが対応しているのはルビーとサファイアのみという体たらく
条件を満たすと波乗りを覚えたピチューなど珍しい技を覚えたポケモンの卵が手に入る
特にしんそくを覚えたジグザグマははらだいことのコンボで凄まじい破壊力を誇る先制技使いとして 一部では「ネ申」の称号で呼ばれるようになった(USUMで神速がジグザグマのタマゴ技に加わるまで神速マッスグマが手に入る唯一のソフトだった)
現在においても(実用性はさておき)みねうちチルット・ネコにこばんエネコはこのソフトでしか入手できない
11/21 「ポケモンコロシアム」 発売
ポリゴンが荒い(グラフィックは殆ど64の流用等
登場人物のポリゴンも荒いが背景は割と綺麗)
対戦相手の使用ポケモンに問題がある(レベル50戦では技構成が酷いレベル100戦では禁止伝説のラッシュ)
レンタルポケモンやその他の機能等が軒並み撤廃された
致命的なバグ(例:オーレコロシアムにてプテラやギャラドスではかいこうせんを使うとたまにフリーズ)
カードEとの連動に於けるPP回復不能という問題.出現するダークポケモンの個体値がALL0という仕様
「すぐに対戦」のパーティーの強さに差がありすぎる上に道具がなぜかなくなっている
バトル方式は全てダブルバトル
シングルバトルに慣れた従来のトレーナーには取っ付きにくい
全体的な難易度も高く特にラスボスは普通にゲームを進めてれば10レベル近くも差が出る終盤のレベルインフレが凶悪
最低でも本編を殿堂入りするくらいの腕がないと太刀打ちできないポケモンらしからぬ初見バイバイな辛口ぶり
野生ポケモンは出現せず対戦中にダークポケモンを相手から奪う特殊なシステム
レポートがパソコンの前でしかできない
ダークポケモンのリライブがとにかく時間がかかりテンポが悪い
シナリオ中で捕まえたポケモンでLv100のコロシアムをクリアするのは至極困難
主にジニアス側にポケモン開発のノウハウが無かった事が大きな原因と見られている
第3世代においてホウオウを入手するためには配信以外にはこのソフトが不可欠だった他予約特典としてついてくるディスクがあればセレビィを入手する事ができた
貴重な「きのみ」が獲得できるようになった(ここで入手が可能になったのは「ピンチのとき(HPが1/4以下のとき)に能力が上昇する」きのみ
リュガのみ.カムラのみは既に劇場版の配布ジラーチのオマケとして入手できたものの地方格差や実のランダム性.ユーザーの子供に混じって配布・映画に行く事への抵抗等の影響からかそれほど広く浸透していなかった模様
こだわりスカーフも無い時代にカムラの実による素早さアップは強烈なコンボであり努力値の調整等にカムラを考慮した候補を設ける必要が出てきたなど影響力は大きかった
ルビー・サファイアで一時的に使えなかったポケモン(ほとんどが第2世代出身のいわゆるジョウトポケモン)が一部解禁となった
進化後ポケモンが殆どでこの時期にはメタモンも捕獲する手段が無いため雄の多いジョウトの御三家ポケモンのタマゴの獲得には苦労する
このジョウトポケモンはGBA版ではしばらく入手手段が無くこのゲームは重宝された。(後にエメラルドで入手できるようになる)
ジョウト御三家の確保が楽になる(エメラルドでも可能だが全て揃えるにはホウエン図鑑完成を3巡する必要あり)
コロシアムとは別にこの時期に今まで机上論気味であったグラードン.カイオーガの強さが実践的に証明された
天候永続と言う特性は天候パーティの構築を大きく効率化させ翌年には「グラードン.カイオーガが使用可能」という良くも悪くも思い切った公式ルールが発表されたのだった
2004
1/29 「ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン」 発売
初代「赤・緑」のリメイク作品
システムも当然第3世代ベースになり以後は旧作品のリメイクも定期的に登場した
ルビー・サファイアやコロシアムにも登場しなかったポケモンが第1世代産を中心にようやっと登場
一部のジョウトポケモンも補完された事でこの発売時点でミュウ.ルギア.デオキシス以外の全てのポケモンが入手可能になった
レベルアップ.遺伝.わざマシンの使用以外でわざを覚えられるようになった
第7世代現在になってもここでしか覚えられない教え技も存在する
9/16 「ポケットモンスター エメラルド」 発売
「ルビー・サファイア」のマイナーチェンジ版
通信限定だったマルチバトルが今作ではフィールドやバトルフロンティアでトレーナーに挟まれるようにエンカウントした時にも起こるようになった
基本的に味方側はプレイヤー1人だがイベント限定で味方NPCとマルチバトルも可能
従来のバトルタワーも含め計7種類の異なるルールのバトルに挑める施設「バトルフロンティア」が登場した
難易度は完全にライトユーザーを突き放した「極悪」と言ってもいい程のもの
同じポケモンが全施設で活躍するのはまず不可能であり(特にルールが独特すぎるバトルパレス)
金シンボルを制覇するには施設の特色を見越した育成・相当な努力・時には運が必要となる
難易度が高いとされるバトルファクトリーはほぼ運ゲーであり運が悪いと廃人さえも数ヶ月かかっていた
周回を重ねていくと出現するトレーナーの使用ポケモンは努力値と型がしっかりしており中には性格厳選すれば実戦でも使用できるようなものまで現われている
育成の際これらの型を参考にした人も少なからずいる事だろう当
「対応するきそポイント(努力値)を下げる」木の実が登場で努力値の振り直しが効くようになった
その他「ピンチのとき(HPが1/4以下のとき)にきゅうしょにあたりやすくなる(きあいだめ状態)」サンのみと「ピンチのとき(HPが1/4以下のとき)にいずれかの能力が2段階上昇する」スターのみが追加された
ファイアレッド・リーフグリーン同様エメラルド限定の教え技もいくつか存在する
ポケモンによっては後に追加された新特性.新タマゴ技との両立できなかったりするので注意
シンクロによる野生ポケモンの性格厳選をかわらずのいしと併用することによって厳選が容易になったことで全体的に個体値の高い性格も理想的なポケモンが対戦に使われるようになった
今まで「コロシアム」でしか入手できなかった第2世代のポケモンの多くが殿堂入り後に出現しコロシアムを購入せずともGBAソフトだけで図鑑を完成させる事が可能になった
バトルフロンティアにはドーブルが大量に出現するため遺伝技の習得がこれまでと比べても格段と楽になっている
GBA版では初めてゲーム内で個体値に関する情報が提示されたソフトでもある(バトルフロンティアのお爺さん)
2005
8/4 「ポケモンXD 闇の旋風 ダーク・ルギア」 発売
「コロシアム」の続編
制作は前作と同じくジニアス・ソノリティ
タイトルにも配されているダーク・ルギアをリライブするとルギアが入手できこれまで配信限定での入手だったルギアを恒常的に入手できるソフトとして重宝された
リライブホールなどの登場でリライブ時間が短縮・テンポ改善
キャラクターのポリゴンの大幅描き直し
れいとうビームなど技のエフェクトがパワーアップ
ダークポケモンの持つ「ダークわざ」にダークポケモン以外全てにこうかばつぐんという性質が追加
相手に回すと厄介な存在になったもののダーク技の種類も大幅に増えゲーム性の上昇に貢献した
野生ポケモンの捕獲が可能(ただし野生で捕獲出来るポケモンの種類が少なく捕獲関連の特性が発揮されない)
ミニゲームに当たるビンゴやバトルディスクやチュートリアル等の追加
対戦は基本的にオーレコロシアムでしかできず相手の実力は高くなっている
GBAで直接このオーレコロシアムに行くことはできない
コロシアムモードはオーレコロシアムしかなくルールはダブルのみ
対戦方式はレベル60オープン
対戦相手にカイリュー・バンギラスを使用する相手がいる事への配慮と思われるが努力値の配分が大きく変わる為50専門のプレイヤーには厳しい仕様であった
禁止級のポケモンは使えない
既に既存のポケモンは出尽くしたためかXDでは本来覚えられない技を覚えたポケモンが次々と登場
手助けを習得したヨマワル等は現在に於いても有用性が非常に高くこのソフトは重宝されている
教え技がありこのソフトを用いて実現出来る自爆カビゴンは凶悪な性能だった
タイトルにもなっているルギアはサイコブーストとフェザーダンスを思い出す
金属音.バトンタッチなどを覚えるサンダーも注目されたが捕獲後強制レポートと仕様の為戦闘でのダメージ率や素早さ調整をフル活用しないと厳選が出来ずその厳選難易度は今でも語り草になっている
XD技の中でダイパの仕様変更で甘えるウインディ.トライアタックトゲピーなどが注目される
XDのポケモンは性格値の仕様が違う所為かDSに送ると特性が変わったという報告例が多い